読書雑感9 2003.7〜  お勧めの本メニューへ トップページへ


◯大崎善生「将棋の子」講談社☆☆☆☆☆ 図書館
 将棋のプロ養成機関「奨励会」を勝ち抜く事が出来なかった人の、その後の詳述を近しい立場であった将棋雑誌元編集長がドキュメンタリータッチでものした作品。傑作

◯遠藤甲太「登山史の森へ」平凡社☆☆☆☆ 図書館
 自ら記録を残さなかったために埋もれてしまった登山家や山にまつわる由来などを再検証した本。ついて来る犬を連れて行った切符のいい話など。

◯大崎善生「聖の青春」講談社☆☆☆ 図書館
 「将棋の子」は感銘を受けたが、こちらは感情移入できなかった。将棋を指さない一般の人はこの本に流れるヒロイズムに感動するんだろうなぁ。

◯石井昭子「女一人の北アルプス」恒文社☆☆ 図書館
 白馬に行く前に読んで見た、北アルプスのあらゆるルートが記してあるので参考になる、しかし本当に参考になるのは高齢女性の心理描写だった。

◯土屋満男「海の不思議と面白体験」文芸社☆☆☆ 図書館
 現役素潜り漁師が体験した海の怖さや魚との邂逅

◯大山史朗「山谷崖っぷち日記」TBSブリタニカ☆☆☆☆ 図書館
 開高健賞受賞作、人間本来の姿が描写され読んでいると面白いがしんどくなる。

◯永瀬忠志「アジアてくてく記」
山と渓谷社☆☆☆
 図書館
 ニュースで取り上げられて、最近名前を知った人の本を手にとって見た。
徒歩とリヤカーでアジア各地を旅する記録、楽しく読んだ。 特にインドネシアの項に綴られている内容はなかなかにショッキングな出来事で旅の危険を再認識した。

◯栗秋正寿「アラスカ垂直と水平の旅」山と渓谷社☆☆ 図書館
 困難を伴うマッキンリー冬季単独登攀よりもリヤカー曳いたアラスカ縦断の方が読み物として面白かった。

◯永瀬忠志「サハラてくてく記」山と渓谷社☆☆☆☆ 図書館
 1年余りかけて、アフリカをリヤカーで歩いた旅、アフリカでも地域によって人間の傾向が顕著に現されている所が面白かった。W杯サッカーの中津江村騒ぎでは余り触れられず結局は美談になっていたが、カメルーンはどうも狡いなぁと思っていたので。やっぱりなぁという感じ。
 いずれにせよ、権力を持った人間の傲慢さに困らされる下りが余りにも多いので、読んでいて大変興味深かった。 反面、旅人に無償の施しが出来る人も沢山居て、人間も捨てたもんじゃないなとおもう。 数ある旅行記の中でも出色の面白さを持った本だった。

◯コリン・デクスター「謎まで三マイル」ハヤカワ文庫☆☆ 
 すっかりファンになった僕ですが、この作品は他のに較べていまいちだった。犯人は誰かというより殺されたのは誰かという切口は面白いが、こんがらかってしまった。

◯田嶋直樹「九州自然歩道を歩く」葦書房☆☆ 図書館
 モバイルパソコンで逐一行程をホームページに綴るという方式で書かれている旅日記。ハプニング少なし。

◯神尾 豊「人力漂流」東洋出版☆☆☆ 図書館
 自転車と登山を融合した紀行文、自転車で目的地に向かい、そこから登山するなんて有る意味相反している事を器用にこなせてある、最終章の出来事は好きな映画「ブレ−キダウン」を少し彷彿させた。

◯蓑上 誠一「サラリーマン野宿旅」八月舎☆☆ 図書館
 普通の人の普通の旅記録