中島みゆきと癒し 第4回 「Maybe」    戻る   トップページへ

 春は風が強い。私は自転車通勤なのでこたえる。そんなときいつも、頭の中で鳴るの
がこの歌だ。この歌の中ではやたら強い風が吹いている。その中を一人の女性が歩いて
いる。彼女は髪をきっちりまとめて、背筋をぴんと伸ばして歩いていく。
 今回のテーマは「がんばる」こと。 


   
1つビルの角を曲がる度に 意外な向きに吹きつけて来る
    私は唇かみしめて 胸をそらして歩いていく
   弱気になった人たちは 強いビル風に飛ばされる
    私は髪をきつく結い上げて 大きなバッグを持ちなおす

 
強い風になんか負けないで、がんばっている彼女を支えているのは、

 
私をいつも守ってくれるのは パウダールームの自己暗示
    感情的な顔にならないで 誰にも弱みを知られないで
   なんでもないわ 私は大丈夫 私は傷つかない


この歌詞を初めてご覧になった方は、どんな感想を持たれただろう? 私は実は、聴
くた びにしんどくて、心の中で「やめて」と悲鳴をあげていた頃があった。そんなにが
んばらなく ていい、もうしんどい、休みたい、やめようよ、と歌の中の彼女に呼びかけ
れずにいられなかった。 
 それが、いつの頃からか、それほどに感じなくなっていって、「あなたもがんばって
いるわね、わたしもがんばるわ」と聴けるようになった。いろいろな人たちと出会っ
て、自分の思いを話して、受け入れてもらって、互いにエンパワーメントができたおか
げで。それでも疲れていたり、自分のパワーが落ちている時には、この歌が負担にな
る。しんどい…元気な時は平気…だから、この歌はそのときの自分のパワーをはかるバ
ロメーターになるのだ。「Maybe」が耳に痛い日は、何をおいても休むことにして
いる。 

 歌の中の彼女ががんばっているのは、「夢」のためだ。「夢」なんてなければ、がん
ばらなくていいとわかっているけれど、捨てられない。もしかしたら(Maybe)叶
うかもしれないから。


Maybe 夢見れば Maybe 人生は Maybe つらい思いが多くなるけれど
Maybe 夢見ずに Maybe いられない Maybe もしかしたら

私がしんどくなったり、元気になったりしながらがんばっているのもやっぱり夢のた
めだ。 私も強い風になんか負けないぞと、春になると思う。でも、「私をいつも守って
くれるのは パウダールームの自己暗示」ではない。私には仲間がいる。歌の中の彼女
にも、仲間になろう よと呼びかけたいな。
新年度に向けて「あい通信」第4号もできあがり、今日の「Maybe」は耳にここ
ちよい。(笑)